京都天ぷらかふう






天麩羅のはなし
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 金ぷら
金ぷらという揚げ物をご存知でしょうか?
「江戸名物狂詩選」「歳撰記」という古い書物に登場する
天ぷらよりも高価で、また天ぷらが屋台で食べるものであった時代に
座敷で食べられたという天ぷらの一種です。
金ぷらが一体どういったものであったかについては、いくつかの説があります。
1.衣に玉子の黄身だけを入れたもの。
2.小麦粉の代りにそば粉を使ったもの。
3.椿油で揚げたもの。
1はきれいな色に揚がり風味も良いが、さくっとし過ぎるきらいがある。
2は天ぷらよりも高級料理としての風味があるが、小麦粉よりも黒く仕上がる。
3は全く色がつかずに揚がり、においも少ない。
金ぷらというネーミングからして、それが金と呼ぶに相応しい色合いのものでは
なかったかと想像されますから、1の玉子の黄身だけを使ったものが
一番それらしく思うのですが、これもゴマ油を使って揚げたのでは黒く仕上がって
しまいますから、1と3を合わせたもの、つまり衣に黄身だけを入れたものを
椿油で揚げたものが金ぷらだったのではないでしょうか。
この金ぷらは高級品だったこともあり、そう一般に広まった訳ではないようですが
それでも江戸の一部の人士の間ではもてはやされたとのことです。
ちなみに銀ぷらという揚げ物もありました。
この金ぷら人気にあやかろうと、きっと頭をひねったのでしょうが、
発想は至って単純。金ぷらが玉子の黄身ならば、白身を使って銀ぷらです。
しかし、この銀ぷらは評判が悪く「天ぷら道の邪道」とまで酷評された挙句、
すぐに世から消えたようです。
だいたいが、白身だけを使うというその料理法には最初から無理があります。
そのままだと衣が硬くなりますから、
それを避けるために泡立てて用いたようですが、
そうすると色が黒く仕上って、銀ぷらの意味がなくなってしまいます。
さらに苦心の末、弱火で揚げたりもしたようですが、
そうするとべちゃっと仕上ってしまい、美味しくないし見た目も悪い。
結局、日の目を見ることはありませんでした。

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